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視力回復の真実バックナンバー

第34回眼 眼科は近視をどう考える?

『視力回復の真実!★知っておきたい近視のウソ・ホント』
早めに対策すれば、近視もこわくない!
遊びながら視力回復しよう!
【今号の内容】
  1. 「近視予防法」!?
  2. 視力を良くして戦争に勝つ???
  3. “近視予防”はなぜ消えた?
  4. 近視の爆発的増加
  5. 医療が進むと逆に・・・
  6. 「眼科のメガネ・コンタクトレンズ店化」
  7. まとめ
  8. 編集後記
学校検眼で近視がわかり、言われるままに眼科を受診すると、よく言われる言葉・・・
それは、「まだメガネを使うほどではないようですので、様子を見ましょう」
というもの。

でも「様子を見ましょう・・・」とは、具体的にどういうことでしょうか?
「様子を見ていれば、良くなるかもしれませんよ」ということでしょうか?
もちろん、そんなわけはありませんよね。
答えは「まだメガネには少し早いようです。ですが、近視がさらに進行して、
また来てくれれば、メガネ処方箋を出しますよ」
ということなのです。
           ↑  ↑  ↑
第29回眼◆◇眼科でよく聞く「ワック」って何?◆◇ より

わが子が近視になってしまった!大変、なんとかしなければ!!
・・・そんな気持ちで、子を持つ親は眼科の門をたたきます。
でも、眼科での対処は「なんとか治療や改善をしてほしい」という切望からは、程遠いもの。
ここに、割り切れないものを感じたことのある方は、結構いらっしゃるのではないでしょうか。

他の医療機関なら、からだに不具合があれば何らかの対処をしてくれるはず。
なのに、近視に対する眼科の対応は“様子見”だけなんて・・・

なぜ、いつから、そんなふうになったのか?
今回は、そういった眼科の問題について、ちょっと考えてみたいと思います。

1.「近視予防法」!?

今ではあまり知られていませんが、かつて、
日本には国をあげて“近視予防”に努めていた時期がありました。
さかのぼること約70年、1939年(昭和14年)に『近視予防法』というものが出されました。

これは、現在の厚生労働省と文部科学省から出された通達で、
「国民はこれを厳守するように指令され、
また、義務教育の中でも周知徹底することが基本方針とされた」といいますから、
まさに“国をあげて”近視予防に取り組んでいた、と言ってよいでしょう。

国が一丸となって近視予防に取り組むなんて、すばらしい試みじゃないの??
と、近視に悩む現代人なら、思うかもしれません。
実は、これには当時の国の事情が大いに関係していたのですが――

『近視予防法』とはどんな内容だったのか、まずはそれをご紹介しておきましょう。

2. 視力を良くして戦争に勝つ???

 ◎身体を強健にすること ――――― 偏食を避けて、戸外運動を奨励すること
 ◎眼の疲労を防止すること ―――― 眼に適当な休養を与えること
 ◎姿勢を正しく保持すること  ――― 読書距離は30cm以上、寝転んで読書をしないこと
 ◎採光に注意すること  ――――― 十分に明るい光線の下で勉強すること
 ◎印刷物を選択すること  ―――― 文字の過小なものは避けること
 ◎視力検査をしばしば受けること ― 近視者は正確な眼鏡を用いること

これが、『近視予防法』の中身です。
(参考資料:「老眼と正しくつきあう」丸尾敏夫著 岩波アクティブ新書)

内容を見ていて感じるのは、どれもまっとうで、眼のためには大変良い生活習慣である、
ということです。
名前からすると、何か特別な決まりごとがあったのかな、と思われるような
『近視予防法』ですが、要は「近視にならないように、生活習慣に気をつけましょう
ということなのですね。

当時の日本は、第2次世界大戦に向けて突き進んでいるというご時世。
男子には兵役義務があり、強い兵隊を育成するというのが、国の最重要課題だったのです。
かつての日本にとって、最大の武器は「人」であり、人海戦術が頼みの綱だったわけですが、
そんな事情のもとでは、戦闘能力を高めるため「良い視力」を持った人材の育成が
不可欠だと考えられたのですね。

「視力を良くして戦争に勝とう」ということですから、今考えればとても無茶です。
でも、当時は大まじめに、国民の視力向上を奨励していた――というのが、
『近視予防法』の背景なのです。

3. “近視予防”はなぜ消えた?

ここでちょっと考えてみたいのは、そのような、70年前には存在した“近視予防”という
考え方が、いつのまになくなってしまったのか???ということです。

上にご紹介したように『近視予防法』の内容はどれも、
視力低下防止のためには欠かせない、眼に大変良い生活習慣ばかりです。
むしろ、テレビやゲームやマンガ本などに囲まれて暮らす今の子どもたちにこそ、
必要なことであるといえるでしょう。
しかし、戦後、
   “優秀な兵力育成のための視力向上”という考え方は前時代の遺物に。
                    ↓
   “視力低下防止のための生活習慣”も、一緒に廃れていった。

・・・というのが、実際のところなのかもしれません。

4.近視の爆発的増加

次のようなデータがあります。
     【昭和24年】  【昭和38年】  【昭和52年】
小学生   6%   →  12%   →  17%
中学生   9%   →  21%   →  32%
高校生  12%   →  34%   →  48%

小学生のところを見てみると、
「昭和24年から昭和38年で2倍増、昭和52年では約3倍増」
という、非常にわかりやすい推移をたどっています。
これらの数字は・・・近視の児童・生徒比率の推移を表したものなのです。
〔文部省(現在の文科省)調べ〕

子どもの近視率データとして文科省に現存する資料の中で、
いちばん古いのが昭和24年のものです。
昭和24年から14年間で2倍、さらにその後の14年間で3倍に増加しているという、
このデータの示す結果から、戦後‘近視の子どもが爆発的に増加’したことが
よくわかると思います。

5. 医療が進むと逆に・・・

昭和30〜40年代といえば、日本が高度経済成長の真っ只中にあった時代。
戦前には想像もしなかった、便利で豊かな生活が普及し始めました。

とりわけ、電化製品の登場は、人々の生活に劇的な変化をもたらしたのです。
明るい電灯があるおかげで、夜遅くまで活動できるようになり、
「テレビを見る」という、今までになかった生活習慣も生まれました。

そんな事情を考えれば、子どもの近視が増加の一途をたどるのも、
ある意味当然だといえます。
そして、それと並行するようにめざましい進歩をとげたのが、医療の分野です。

乳幼児の死亡率が激減したり、日本人の平均寿命が飛躍的に伸びたり・・・
ということはもとより、眼科の分野でも、それまでになく医療技術が向上していきました。

昭和30年代頃までは、メガネは高価なものであり、ガラス製のレンズは割れやすく、
メガネといえば“不便なうえにお金がかかる”ものというイメージでした。
が、医療技術と製造技術の発展により、メガネは手頃な値段で入手可能になりました。
さらに、コンタクトレンズも登場し、こちらも次第に低価格が実現していったわけです。

大手メガネチェーンが日本全国に展開を始めたのが、1960〜70年代。
アメリカのボシュロム社によって、ソフトコンタクトレンズが発売されたのが71年。
これらもすべて、昭和では30〜40年代にあたります。

6. 「眼科のメガネ・コンタクトレンズ店化」

つまり・・・これらの進歩発展は、戦後日本の功績であるとともに、
“近視になってしまっても、まあ何とかなるだろう”
という楽観材料を作ってしまった、ともいえるのですね。

   「すぐれた矯正手段があること、また、
    多くの人が抵抗なくそれらを使うようになったこと」

こういった要因から、眼科もまた“近視の予防”に力を入れなくなり、
近視になったら様子を見る → 悪化したらメガネの処方箋
という対処が一般的になっていったのだと考えられます。

ちなみに・・・アメリカでは、
  眼の疾患を扱う → 眼科”
  メガネやコンタクトレンズを処方する → 「オプトメトリスト」

というふうに、完全に役割が分かれています。
つまり“近視”という分野は、眼科医の担当領域ではないということです。

日本では、すべてが一緒。つまり、ある意味で
眼科のメガネ・コンタクトレンズ店化」が起こっているともいえるわけです。

以上のことから考えると、
【近視の爆発的増加】【メガネ・コンタクトレンズなど矯正手段の手軽化】
が相まって、“近視を予防しない”眼科の現状ができあがった、といえるでしょう。

7.まとめ

眼科で行われている近視への対処は、

  “ミドリンやワックで様子を見る”
         
  “更に近視が進んだらメガネをかけるように、という指導”

ほとんどの場合、これだけ。なぜそんなふうになったのか?
戦後、

●子どもの近視の爆発的増加
●メガネ・コンタクトレンズなど近視矯正手段の手軽化

         ↓
 医療技術が発達したことにより【近視のデメリット】が少なくなった
         ↓
 眼科にとっても“予防”に力を入れる理由が希薄になった

つまり・・・
  【“近視”を相談するのに、眼科は適していない】
だったら、どうすれば・・・?

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8.編集後記

寒さひとしおの、お正月。でも、子どもは元気です。
お正月の子どもの遊びといえば、凧揚げ・すごろく・こま回し・・・
などと言っていると「いつの時代の話??」と言われてしまいそうですが・・・
私が子どもだった30年ほど前には、お正月の空に凧がちらほらと揚がっていたものです。
ちょうどビニール製の凧が売り出され 、
(「ゲイラカイト」という名前でした。ネットで検索してみたら、今もあるようです。懐かしい!)、
とてもよく揚がるので、楽しくて夢中になって遊んだ覚えがあります。

元日は人出も少なく、車もいつもより走っていないせいか、
空が澄んで、高く揚がった凧が遠くまで見えたような気がします。
今考えれば、あれはとても眼に良い遊びだったと思います。
遠く広がる空と、高く高く揚がる凧。
糸を引きながら、遠い空の凧を眺めて楽しむ時間――

というわけで、凧揚げはこの時期おすすめの遊びです。
寒いけれど、子どもには新鮮な楽しさ、お父さん・お母さんには懐かしさが味わえますよ。
凧揚げなんてしたことないよ、というお父さん・お母さんは、
お子さんと一緒に新鮮な気持ちで楽しんでみてください。
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